船舶法は“確実に7〜8割を取りたい”重要科目
船舶法は、海事代理士試験の中でも筆記20点+口述試験の両方で出題される最重要科目です。
この記事では、まず船舶法で最初に理解すべき船舶国籍証書(=船のパスポート)を、条文構造に沿って分かりやすく整理します。
船舶法は漢字カナ交じり文で読みにくいですが、押さえるべきポイントは多くありません。
船舶国籍証書の理解 → 各論の整理 → 過去問を繰り返し解いて定着 この流れを踏めば、安定して7割以上を狙えます。
まずは、船舶法の“入口”となる国籍証書から見ていきましょう。
船舶国籍証書を理解する
まず、人と同じように船舶には国籍があります。以下のようなイメージをもつと分かりやすいかもしれません。
- 人の戸籍に相当するのが 船舶原簿
- 人のパスポートに相当するのが 船舶国籍証書
では、ここから船舶法の中心となる「船舶国籍証書」を条文に沿って整理します。
船舶国籍証書の条文構造(誰が・誰から・何をするか)
▼ 誰が(義務主体)
- 日本船舶の船舶所有者
▼ 誰から(発行主体)
- 船籍港を管轄する管海官庁
▼ 何をするか(手続の流れ)
- 総トン数の測度を申請(船舶法4条)
- 船籍港を管轄する登記所で登記(管海官庁ではないので注意。船舶法5条1項)
- 管海官庁の船舶原簿に登録(船舶法5条1項)
- 船舶国籍証書の交付を受ける(船舶法5条2項)
商法(海商法)との関係:第三者対抗要件に注意
商法では、登記と船舶国籍証書が第三者対抗要件として扱われます。
「船舶所有者は、船舶法(明治三十二年法律第四十六号)の定めるところに従い、登記をし、かつ、船舶国籍証書の交付を受けなければならない。」(商法686条第1項)
「船舶所有権の移転は、その登記をし、かつ、船舶国籍証書に記載しなければ、第三者に対抗することができない。」(商法687条)
これは、船舶の財産権を第三者に主張するための重要なルールです。なお、第三者対抗要件という言葉がわからない方は、民法で学習しましょう。
船員法との関係:船長の備え置き義務
船舶国籍証書は、船長が船内に備え置く義務があります(船員法18条)。
船舶国籍証書の実物イメージ
実物を見ると理解が深まります。 以下のリンクが参考になります。
- https://c2sea.go.jp/learning/study/entry-194.html
- https://48pedia.org/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:STU48%E5%8F%B7%E8%88%B9%E8%88%B6%E5%9B%BD%E7%B1%8D%E8%A8%BC%E6%9B%B8.jpg
次回以降で扱う「各論」一覧
船舶国籍証書を理解したら、次は以下の各論に進みます。
- 日本船舶とは何か
- 船籍港とは何か
- 船舶国籍証書がないとできないこと
- 記載内容に変更が生じた場合の手続
- き損・滅失した場合の再交付手続
- 仮船舶国籍証書との違いなど
次回以降の記事で順番に解説していく予定です。
使用した参考書
条文と過去問の繰り返しで十分対応できますが、背景を知りたい方には以下が参考になります。
- 『海事法規の解説』成山堂書店(神戸大学海事科学研究科海事法規研究会編著)
学習方法:条文理解 × 過去問演習が最強
1. 条文を覚える
穴埋め問題で書けるレベルで性格に、 条文とキーワードを理解しましょう。
なお、船舶法は船舶法施行規則の内容も出題されるので、施行規則も併せておさえておきましょう。
2. 過去問を繰り返し解く
最終的には過去問が最強。 頻出箇所が自然と浮かび上がってきます。
国土交通省の海事代理士試験ページに過去問と解答が掲載されています。
過去問例(令和6年)
船舶法は条文穴埋めが頻出です。 実際の出題例を1問紹介します。上の記事で触れた内容ですが、○○の中に入る単語わかりますか?
「日本船舶ノ所有者ハ○○ヲ為シタル後船籍港ヲ管轄スル○○○○ニ備ヘタル船舶原簿ニ○○ヲ為スコトヲ要ス」 (船舶法第5条第1項)
答え:登記、船舶原簿、登録
まとめ:船舶法は7割を確実に取りたい科目
- 筆記の配点は20点
- 口述でも出題
- 他の海事法規の基礎
船舶国籍証書を理解した後に各論へ進めば、 学習の迷いは大きく減るはずです。
漢字カナ交じり文は取っつきにくいですが、 受験生はみんな同じ。心配しなくて大丈夫。
あなたの努力は必ず点数につながります。
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