国際船舶・港湾保安法は「得点源」にしやすい科目
海事代理士試験の20科目の中でも、国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律(国際港湾施設に係る部分を除く。以下「保安法」とします。)は、点が取りやすい科目です。
この科目には次のような特徴があります。
- 条文数が少ない
- 過去問を解けばキーワードをマスターできる
- 他の海事法で出てくる概念(証書・検査など)が多く、比較的理解しやすい
これらの理由から、10点中8点前後を狙いやすい科目と言えます。
保安法成立の経緯
保安法は、「千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)」(なお、保安法1条では「国際約束」と記載されています)を国内で適確に実施するための法律 として、2004年7月に施行されました。
背景には、米国同時多発テロ(2001年)があり、テロ対策として国際的に船舶・港湾の保安強化が求められたことが理由です。
海事法規では 国際条約 → 国内法化 という構造が非常に多く、背景を理解しておくと条文の意味がつかみやすくなります。
保安法で点を取るための重要ポイント
保安法は比較的シンプルですが、他の海事法規でも共通して使われる概念が多く含まれています。 ここを整理しておくと、他科目の理解も一気に楽になります。
① 「●●証書」の構造を理解する(船舶保安証書)
保安法における「船舶保安証書」は、条文構造に沿って整理すると次のようになります。
【図解】船舶保安証書の構造
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🛡️ 船舶保安証書の構造
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【① 誰が(義務主体)】(保安法第4条参照)
▶ 国際航海日本船舶の船舶所有者
▶ 船舶共有の場合 → 管理人
▶ 船舶貸借の場合 → 借入人
※ 国際航海日本船舶とは:(保安法第2条第1項参照)
・国際航海に従事する旅客船(旅客定員13人以上)
・国際航海に従事する総トン数500トン以上の貨物船
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【② 誰から(発行主体)】
▶ 国土交通大臣
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【③ 行為1:定期検査を受ける】
▶ 船舶警報通報装置等の設置
▶ 船舶指標対応措置の実施
▶ 船舶保安統括者の選任
▶ 船舶保安管理者の選任
▶ 操練の実施
▶ 船舶保安記録簿の備付け
▶ 船舶保安規程の備置き及びその適確な実施
(保安法第12条参照)
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【④ 行為2:船舶保安証書の交付を受け、船内に備え置く】
▶ 保安法第13条(船舶保安証書の交付)
▶ 保安法第19条(船舶保安証書等の備置き)
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② 「●●検査」の種類を理解する
船舶安全法と同様、保安法にも次のような検査が規定されています。
- 定期検査(保安法第12条参照)
- 中間検査(保安法第14条参照)
- 臨時検査(保安法第15条参照):船舶警報通報装置等について国土交通省令で定める改造又は修理を行ったとき、船舶保安規程の変更をしたとき等
- 臨時航行検査(保安法第17条参照):国際航海日本船舶について所有者の変更があったこと等の場合
いずれも穴埋めで出されやすいキーワードです。
船舶保安証書の有効期間は 5年間。期限切れになると国際航海に従事できなくなり、ビジネスに影響が出るため、定期的な検査が必須です。
なお、船級協会の審査及び検査を受けた場合には、船級を有する間は、国土交通大臣による船舶保安規定の承認を受け、かつ、定期検査、中間検査、臨時検査等の要件を満たしていると認められたものとみなすとされています(保安法20条2項参照)。船級協会、船級というキーワードはおさえておきましょう。
また、余力があれば、以下の実効性を担保するための規定もおさえておきましょう。
国土交通大臣には実効性を担保するため、改善命令等(保安法第22条参照)、報告の徴収等(保安法第23条)ができます。
使用した参考書
特別な参考書は使用せず、条文を繰り返し読み込むことで対応しました。
なお、条文はe-Gov法令検索から入手するとよいと思います。
学習方法:条文理解 × 過去問演習が最強
1. 条文を覚える
キーワードを書けるレベルで、 条文の流れとキーワードを理解しておけば十分です。
2. 過去問を繰り返し解く
最終的には、過去問演習が最も効果的です。繰り返し解くことで、頻出箇所が自然と浮かび上がってきます。
国土交通省の海事代理士試験ページには、 過去問と解答が掲載されています。
まとめ:確実に得点源にしたい科目
保安法は、海事代理士試験の中でも効率よく得点源にしやすい科目です。条文理解と過去問演習を中心に学習すれば、8割以上の高得点が狙えます。
受験される皆様が、無事に合格を勝ち取られることを心より祈念しております。
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